1. 腎臓内科とは?
腎臓内科とは、腎臓・泌尿器系の多くの疾患の中で、内科的治療が必要な患者を治療する診療科です。一方、外科的治療が必要な場合は泌尿医学科にて治療を受けることになります。
腎臓内科医で主に診療する疾患には、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全、急性腎不全、急性腎盂炎、膀胱炎などの腎臓固有の疾患と高血圧性ネフローゼ症候群や糖尿病性ネフローゼ症候群のような2次性ネフローゼ症候群などがあります。また妊娠中の腎臓異常、ループス腎炎、先天性腎嚢胞なども腎臓内科にて診療できます。また水・電解質・酸塩基平衡異常がある場合も腎臓内科での診療が必要であり、腎臓障害を患っている患者における薬物治療に対する相談も腎臓内科にて受けられます。
2. 腎臓内科の診療が必要な患者は?
上記の症状、すなわち浮腫、急激な血圧上昇、尿が泡立ったり赤色の尿が出る、排尿習慣の変化や排尿時の痛み、持続的な脇腹と腰の痛みなどがあれば腎臓内科にて検査を受け津必要があります。その他に尿がにごっていたり、排尿量の急激な変化が見られる場合、また夜中に尿意で何度も起きる場合にも腎臓異常が疑われるので腎臓内科専門医による診療が必要です。
なお、症状が認められなくても満70歳以上の高齢者や高血圧、糖尿病、全身性紅斑性狼瘡などを長期間患っていた方、過去に急性腎臓疾患を患っていた方、腎臓結石があった方、家族構成員が腎臓疾患を患っている方、薬を長期間にわたり服用している方も1年に1~2回は腎臓検査を受けることを勧めます。
3. 透析室のご案内
血液透析室:最近登場したハイフラックス膜を使用した血液透析(high-flux dialysis)及びオンラインHDFなどが可能な最新の透析装置31台を備え付けており、患者の状態を定期的に点検することで、各患者に応じた差別化された透析処方が出せるよう、最善を尽くしています。また患者相談及び教育においても適切な時間とプログラムを設けて透析患者の生活の質を向上させるために努力しています。
腹膜透析室:多様な腹膜透析液を用いて患者の状態に合う最も適切な治療を施行しています。特に患者とその家族が直接治療過程に参加するので、体系的で持続的な教育プログラムによる一層クォリティーの高い腹膜透析を追求しています。
4. 腎移植のご案内
慢性腎不全の究極の治療法である腎移植のために腎臓内科をはじめ、小児科、血管外科、泌尿医学科、診断検査医学科などの関連科の医療スタッフと協力診療体制を構築し、効率的な患者管理と合併症の最小化を目指しています。また臓器移植コーディネーターの確保により医療スタッフ、患者、ドナーとの円滑なコミュニケーション環境を作り出すと共に、効率的な臓器管理を通して合理的かつ体系的な移植が行われるようにいたします。